詩人:どるとる
運まかせ 風まかせ
気の向くまま 旅烏
なんでも人まかせ
宛てもなくふらふら
宙ぶらりんな風来坊
地に足をつけられず
空に指を突き立て
風が吹く方へ向かい
分かれ道なら枝が倒れた方へ向かう
そんな僕は不安という風にまかれ
季節お構いなしに一年中 涙流してる
あの日、どこかに届けたはずの口笛の行方
思い出の中に隠れん坊しているのかい?
夢の在処 未だ知れず
運まかせ 波まかせ
何が起きても 無神経
悲しみをなんとかごまかそうとするだけの泣き虫弱虫
降ってくる雨を責められやしないから
ただ 濡れるのがさだめだと笑っているしかない僕らは明日の足音に耳をふさぎまぶたぎゅっととじても
気ままな旅は続く
風がそこに吹くかぎり
僕は 風来坊
日々は僕を必要としているようで
まだ生きなきゃだめなようで
おもむろに 開いた扉
その向こうに期待してるのは けっして幸福ではないけれどあたりまえな笑顔が咲くめぐまれた生活だ
また 同じ景色をめぐるとしても違う角度から眺めればまた違った景色になる
方位磁石も
地図も
頼りにならない
人生という山は
自分の足と頭だけが頼りだから
さあ 開かれた扉のその先で試される
自由という名を借りた不自由のもと
僕らは 風来坊 それぞれが気取って精一杯迷い 悩み それぞれの 座席を探してゆく
まだ探してる人
もう見つけた人
様々な人がいる中で僕はどうなのかな
今、また僕は僕なりに空に向かい人差し指を突き立て
歩き出している
はるかな 旅の終わりへと
未完の地へ あの太陽の沈んでゆく場所へと
ただ ゆっくり
時間をかけて
すり減る命
タイムリミットという残り時間の中で
できるかぎりの事をするつもりさ
そんな今日もやっぱり風来坊は風来坊
僕の行く先は風だけが知っているのだ
さあ 朝焼けを合図に目を覚ませ 今、開眼の刻。