詩人:千波 一也
夕日が
あたたかい、だなんて
思わない
ぼくがすきなのは
夕日のいろで、
物悲しそうに
かつ、凛々しそうに
ぼくのすがおは
許されている
そんな確信が、
ある
だけど、
夕日が
ほんとは冷たいことは
わかっているから
ぼくは
燃えるしかないのだと
思う
それは唯一、
ぼくがひとりで
叶えられることなのだと
思う
信じることには
やさしく在りたいから
ぼくは
いまだに
匂いなんかを
うたってみせる
みつめ過ぎずに
済むように
思いのままに
走れるよう、に
果てしなく
きれいな嘘つきの
夕日を
背中
に
2011/08/27 (Sat)