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[153215] 黒い春

詩人:どるとる


ひとり頷いて
ひとり夢を見て
ひとり涙して
ひとり笑って
ひとり選んで
ひとり謝って
ひとりささくれて
ひとりふてくされ
ひとり苛立って

八つ当たり 壁を蹴る
やたら物に 当たる

青春のシミのようなもの

ひとり笑い転げ
ひとり抱えて
ひとりばかを見て
ひとり躓き
ひとり転んで
ひとり楽しんで
ひとり悲しんで
ひとり驚いて
ひとりしょぼくれて

そんな 僕はなんでもひとりでやれるつもり
青春のシミを 見て見ぬ振りしてた

後ろの正面だあれ
振り返ったら
そこには黒い春
桜も枯れ果て
見る影もなく
余りの儚さに
期待も散る始末

ひとりで勇んで
ひとりで失敗し
それを悔やむ
そんなことの繰り返し
いつも悲しい行き帰り

ひとりなら
責任も
全てひとりだから
気楽だ
そうでもなかった
ひとりだからこそ
辛いんだ

ひとりきり
壁に向かってボールを投げまた跳ね返ってきたボールをとりまた投げる
そんな寂しい会話は無機質な空虚を生む

ほら 黒い春が忍び寄る気配がするよ

その時、僕らはなすすべもなく粉骨砕身。

2010/02/10 (Wed)
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