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[153227] 帰り路の黄昏

詩人:どるとる


それはそれは長い長い夢を見ているように今日も夢から覚めれば 帰り路の黄昏
飴色に染まった空をひとり 見上げてる
『なんて 自分は ちっぽけなんだろう』
そんな 気持ちを抱きて 向かう 愛の巣

低く垂れ込めた雲が教える 夕立の兆し
空が泣き出す前には帰りたい 大げさなくらい大粒の悲しみに濡れないように
片手に 傘を 持って
今はただ 帰ることだけ考える
なんと 小さな 焦りだろう
なんて か弱い 人間だろう
雨が降り出すだけなのに なぜか胸騒ぎがする

そんな帰り路
どんなBGMも似合わない
邪魔な雑音になるだけだ
黄昏ても意味はない
だけれどただ自転車を漕ぐだけじゃつまらない
鼻歌など試みる

そんな帰り路の黄昏
夢のように始まったように
夢のように最後も終わる
幕がおりるように
静かなまでにほら閉幕と相成る。

2010/02/11 (Thu)
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