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[153288] ジレンマの雨

詩人:どるとる


いくつもの葛藤といくつもの情熱を
僕らは抱いてここで生きる
未来と今の瀬戸際でいつもただ生きる

目の前にある
今という大事な一瞬にかける思い
どれだけ 輝かせられるかな
つぼみは花になるから意味があるのさ
冬をこえて春になればつぼみが花ひらくように
大人になって実らない夢などなんの価値もないと通りすがりの人が言う

平気そうに見えていたって全然平気なはずはないよ
愛想笑いやめればほら今にも泣き出しそうな顔

舞い降る雪のように僕らはいつか溶けるさだめ
そのさだめの中でしか味わえないときめき
今 自分自身と葛藤しながら繰り返す狂いそうでなんとか持ち直す日々

ジレンマの塊を抱えたまま僕は子供と大人の境界線をいつの間にか越えてしまってたようだ

人間に生まれてきて
得したことや損したこと
そんなものは全て幻だ
だから ただ 投げかけられたことにだけ答えればいいのかな
クイズの回答者みたいにバカみたいな阿呆面で暢気に突っ立って
目先の欲望に目を奪われて 財布を空にする人に成り下がるのか

たとえばいくつかの問題があれば
その問題と同じだけの答があるように
十人いれば その十人ともひとりひとりに違った悩みがあって
違った迷いがある
そして心にはぬぐいきれない闇がある
果てしなく広がるその闇がはれるといいなと今日もわずかな望みにほほ笑んで

ジレンマとジレンマのあいださらにそのジレンマのあいだ
僕は 挟まれて
今にも どうにかなってしまいそう
誰もがそうだろう?聞くまでもないよね

今日も僕が住むこの小さな街にもやまない雨が目には見えないけれど絶え間なく降っている
あなたにも心の瞳を透かして見えるだろう?
誰もがその雨に濡れているんだ
耳をすませば聞こえてきそうなものさ
誰かの嘆きの声
そして涙の落ちる音

ジレンマの雨は降り続くばかり
無数の時代を素通りして。

2010/02/13 (Sat)
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