詩人:甘味亭 真朱麻呂
不安になるよ 冷たく 冷たく 雨が降っているから 街に傘の花が咲き乱れて汚らしく汚らしく空をよごすよ 僕も一輪 傘を開かせて 黒い黒い 傘を開かせて 不安げに空を見上げながら 手を差し出して 手のひらでその冷たさを 感触を 確かめながら僕は雨に濡れながら そっと 目をつむるよ 独りの夜に。