詩人:清彦
書き留めた詩
舞う風 なびく髪
僅かにあの夏の匂い
古びた椅子 机
網戸 洗濯物
時々 車の通り抜ける音
木々 鳥の鳴き声
太陽の日差し
通り行く人々は
みんな旅人
何処へ向かっているの?
仲間 恋人達 家族
それぞれの営み
色とりどりの食事
自由な選択
自由な足取り
愉しげな歌声
揺れる身体 なびく髪
閉じる瞳
一瞬だけ
あの夏
思い出と未来
想像と幻想
曖昧な記憶のせいで
今じゃ美しいね
電車に揺らされて
レールに続く景色
住宅 オフィスビル
カフェ コンビニ 電柱
木々 森 土砂と湖
空調の涼しさと
太陽の暖かみ
昼の空の青さ
雲の自由さ
織り成す調和
思考する
生と死のレールの上で
確かに在る喜びと悲しみ
幾重にも重なった
グラデーション
心と鉄と自然と命の調和
旅人たちの詩