詩人:千波 一也
雪のように
純白ではないけれど
雪のように
この手を
冷えさせたりしないのが
わたしの日々です
埃のように
身軽ではないけれど
埃のように
掃き捨てられたり
拭き取られたりしないのが
わたしの日々です
手荷物のように
煩わしさはあるけれど
手荷物のように
なくしてしまうには心細くて
いつのまにか不可欠なのが
わたしの日々です
土砂のように
汚れた面はあるけれど
土砂のように
どこか
ちいさな草はらを
守っているに違いないのが
わたしの日々です
目にみえて
美しくはならないけれど
目にみえて
醜くもなっていかないから
積もっているのか
いないのか
ほんとのところが
よくわからない
それが
わたしの日々です