詩人:清彦
どうして僕らふたりは
ひとつになれなかったんだろう
あんなに愛していたのにね
昔の詩を読み返していたんだ
実はあの頃より
答に近づけたんだよ
星空が素敵だったね
心が美しかったからさ
そして君がいる世界が美しかった
君と触れあうというのは
僕にとっては
ただの生殖本能とは
違っていたんだよ
愛について考えたことはあるかい
あまりにも抽象的で
定義なんてほったらかしだから
僕らは確かめ合うんだよ
お互いの存在価値を
愛という木の下で
もしかしたら僕は
あの頃よりも今
君を愛してるかもしれない
感謝してるんだ
君に
そして君を育んだ全てに
父に、母に、自然に
僕らを隔たっていたのは
やっぱり肉体じゃないね
なんていうか
欲望や憎しみや
快楽や喜びさえ
実は違っていたんだよ
風のように、波のように
時間は全てを拐います
痛みや涙も拭ってくれました
今、恐らく本当に心から
あの頃より深く心から言えるよ
ありがとう
幸せになって下さい