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詩人:千波 一也
やさしい人はどこですか、と
尋ねることばが多すぎるので
空はすっかり無言です
晴れ渡る青空の日も
雨の日も
風の日も
空には無言が広がります
だから時には
黙って空を聴くのです
空からの質問はないものか、と
無言で待ってみるのです
そしたら案外
尋ねたいことなど少なくて
尋ねたところで
仕方のないことが多くて
空の高さに
ほっ、として
やさしい人はどこですか、と
不意に勢いづくことばは
まだまだ胸に眠って
います
が
まあるい瞳は
つとめてしずかに
覆われるので
きっと
しばらく
大丈夫、です
やさしい人はどこですか
夢であえたら
宜しいです
ね