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[171126] ガラス戦争

詩人:千波 一也


宇宙のかなたの秘めごとに

聞き耳を立ててみたくなるような

わたしの夜は


透きとおるほどに汚れてしまう

汚れるほどにもろさを甘受する

もろくなるほどに

他を傷つける



 聞きたいことは

 はじめから決まっていて

 裏を返せば

 なにも

 聞いてこなかった、ということ


 割る音も

 砕く音も

 磨く音も



宇宙のかなたには

可能性があるらしい


優しくなれる可能性

勇ましくなれる可能性

想いが報われる可能性



 大なり小なり

 望遠鏡は

 大なり小なり

 かなたを

 知る


 それゆえ争いは仕方ない

 みち半ばなら

 仕方ない



片隅にちがいない

わたしの夜は

誰より平和で

わたしの夜は

誰より

危うい


から、


みがかれても

みがかれても

此処にいる


なすすべもなく

武装して





2011/09/17 (Sat)
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