詩人:甘味亭 真朱麻呂
雨
時々曇り
晴れ
ところにより雨
黒くて四角い箱が何か言ってる
全く知らないような
スーツを着た誰かが
真面目な顔をして
ここ一週間の天気を報じている
休み
また平日
休み
また平日
時々祭日 祝日
繰り返される日々
願ってもないのに
気がつくと
僕は眠りから覚めて
真っ黒に焦げたパンにかじりついて
鞄抱え込んで
折りたたみ傘入れて
靴を履き
行ってきますなんて
誰もいないシーンとした部屋
鍵をかけて
駅へと走る
時々歩く
余裕を持って
時々早く家を出る
今雨の音がとても耳障りだよ うるさいよ
行き交う人の群
混み合う電車
化粧するOL
電話してる女子高生
俯いてる同年代のサラリーマン
瞼をぎゅっと
肩を狭めて
窮屈そうに
憂うつそうに
眠ってる
眠ってるふり
本当はパッチリさ
そして
僕はまた明日もその次の日も
同じ景色の中
同じ場所で
同じ空を見てる
同じ弁当の中身
鮭…ゆで卵…白いご飯…プチトマト