詩人:どるとる
君に何かあげたいんだけど何もぼくにはない
ぶっ飛んだ特技も
笑いとるユーモアも
気の利いた言葉も
だから おおげさな花束のかわりにぼくがあげられるものをずっと考えていた
どこまでも終わりのないあたたかなまなざしで君を見つめてあげることや
やさしい気持ちとともに君のそばにいてあげることくらいなのさ
ぼくが君にできることは
今 世界一好きな人に伝える気持ち 不器用でも一生懸命さ伝わるような精一杯の思い
まるで画用紙に絵を描くように すらすらとはいかなくても
時間をかけてゆっくりと言葉にしてゆく
ぼくはそんな気持ちの運び手だから
君に花束を
見えない花束を
手渡すよ 今
その花束は
ぼくのやさしさや
ぬくもり 束ねた
とっておきの花束なのさ
他人は聞き流せ聞き流せ
君だけに届けるための詩だ メロディだ
さあ 声をふるわせて響かせる その思い
狂おしい 愛情
今 少しずつ つぼみが開くように ほら
ぼくの中で 咲くよ
香り立つ 詩
ぼくは君と手をつなぎ
地球の地上を歩く
一歩 一歩 一瞬 一瞬
一秒 つかの間 刹那
切なさももどかしさも 散りゆく花びらも降り続く雨の一粒一粒も
全てにある 愛情
ぼくはそれを体中で
そして心で感じながら眠るように 目を閉じて 君への思いを描く
真っ白な あの空に
手を伸ばす 要領で
君に花束を
精一杯で
一生懸命な
花束を捧げる
魂 こめて
命懸けて
君に花束を
地球の真ん中で今日も時めいて。