詩人:トケルネコ
何を独りで喚いている?と、明太子に呟く
誰も彼もパラダイスに生まれる訳じゃない
好きなものも嫌いなものも
腐った豆もハラワタすら、きっと立派なオカズになれる
茶をすする
朝はまだ早く、手元には新聞はない
誰が言ったか、世界は○○に満ちている
たくわんを噛む
それを言うなら、世界は何かが満ちるほど狭くはない
ただそれは日々のコラムほど狭く堅苦しい事実だ
無人の駅にも列車は止まり、年に数回子供が轢かれる
味噌を飲み乾す
これが世界だ。空っぽの椀に残った豆腐の欠片すらオカズになる
満ちているものはなんだ?
満たされていたものはなんだ?
朝はやってくるのに溢れるのは雨ばかり
世界を日々荒々しく整形するものは・・・?
茶をすする
手元にはまだ、新聞はない