詩人:どるとる
心に届く詩ってどんな詩だろう
人の心を安らかにする詩かな
それとも愛にあふれた詩なのかな
これも違う
あれも違う
ひとつずつ
省いていったら
残ったもの
それは
自分が書きたい詩
だからぼくは世間のサイズに合う詩は書かないし書きたくないんだよ
自然じゃない詩なんて不自然なだけだから
だからぼくは好きなうたうたうのさ
だけれどけっしてわがままじゃないうたをうたいたいのさ
プライド汚さないように清いうたをうたうたい
誰かの心に届けようなんて卑しさはなくてただうたいたいからうたう
そんなのがぼくの心構えかな
まだ未完成な理由だけど
これだけはわかる
ぼくはうたいたいからうたってるんだ
そしてあの日
うたいたくてうたったんだ
だから今日も同じ気持ちで
始まりのあの朝のように
変わらない気持ちで遮るもののない大空に羽を広げたうたうたう
時に笑って
時に泣いて
言葉を連ねて
次々に
絶え間なく
心に咲くイメージを
詩にしてゆくよ
それはやがて
この道のどこかで
躓いたとき
立ち止まるとき
ぼくを照らしてくれる
そう思うんだ
忘れてること思い出させてくれる
そう思うんだ
だから だから ぼくはうたうたう
好きな うたをうたう
そのためにうたったのさ あの日 何も知らないまま
生まれたうた
真っ白な雲のような
あのはじまりのうた
今、なんとなく思い出して また 書きたい あんなうたを
笑うことも無理矢理じゃなくて素直にできたあのころのような無垢な気持ちでうたいたい。