詩人:EASY
最新鋭の精密機械で印刷された
ただの紙を
僕はコンビニに払う
その代償として
僕はサンドイッチを受け取る
人の運動を妨げる
自動ドアを出る瞬間
「ありがとうございました」
と
儀式的な礼を受け
僕はそこを後にする
目の前には
自然の摂理に則った
草食動物の群れを思わせる
人の流れがあり
そこには恐怖の二文字が垣間見え
これまた自然の摂理に則った
弱肉強食を思わせた
僕は
生物学的理論に基づいた
空腹を満たす為
コンビニの前でさっそく
ただの紙の代償で手に入れた
サンドイッチを貪った
この人生は
滑り台とブランコと砂場のある公園の様に
平凡なものかも知れない
少なくとも
アポロ11号で月に行く人生よりは平凡なものだろう
たった今僕が
綺麗な月を見て思い付く事と言ったら
それくらいの事なのだ
退屈な僕は
数百メートルもありそうな巨大魚が
川に打ち上げられでもしないかと
橋の上から川を眺めて
橋の向こうにある
蛍光灯の眩しすぎる
いかにも現代的なあの部屋を
目指さなければならないのだ