詩人:千波 一也
太陽に
照らされすぎると
こたえなくてはならないことが
次から次へと
たずねてきそうな
気がいたします
おそろしいような
恥ずかしいような
こそばゆいような
形容のしがたい心持ちの
いずれにも添うものは
笑顔です
日傘をさして
友になりませんか
つかの間の
ほどよく上手な
花になりませんか
つかの間の
流れをいとわぬ
水になりませんか
つかの間の
完全に
日をよけることなど
かないませんから
一時の
戯れですから
遠慮なさらず
隠れてしまいましょう
白、
袖、
黒、
髪、
青、
爪、
紅、
嘘、
華やかなんです
日陰も意外と
桃、
風、
黄、
指、
紺、
文、
碧、
石、
太陽に
さらされすぎると
おぼえた意味の正しさが
気になります
ときにはそれも
大切だとは存じ上げますけれど
きょうでなくても
よろしい筈です
影としての立場から
光としての立場から
あなたの憩いを
お誘い申し上げます
道々草々
そこかしこ