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詩人:いもけんぴ佐藤ロビンソン
キミの夢を見ないように、
睡眠薬を飲んだ夜
死に絶えたはずの悲しみを
重い目蓋で閉じ込める。
あたしの右腕を彩る赤は
死へのあこがれ
それと 生きたい、と願った証
気づかないフリして、
通り過ぎてったキミの冷たい優しさも
気づかうフリをして
ほんとはすべてを奪っていった
あの子の意地も
こんなくすんだ空の下じゃ
まるで美しく見えてしまうね
離れていく景色が愛しい
来世があるなら
あたしはあたしを愛せるのかな
キミはキミのままでいて
くれるかな
なにも夢を見ないように、
睡眠薬を飲んだ夜
死に絶えたはずの幸せが
重い目蓋によみがえる。