詩人:グランギニョル
死んだ魚を海に戻す
海面を不気味に漂う
鉛色が鈍く光って
息苦しさを覚える
充血して濁った目がこっちを黙って見ていた
不快感が背中にのし掛かる
この行為を30回ばかり繰り返し
海面に30匹の魚の死体が浮いていた
全員が死んだ視線を投げかけてくる
仕方が無いので下を向いた
すると全員がひそひそと話始めた
ウルサいので耳を塞いだ
強烈な疎外感
例えそれが死んだ魚相手でも
黙らせるために殺してやった
静かに一匹ずつ頭の中で
自分の足元で大量の魚の死体が重なり合っていた
異臭に耐えきれず
死んだ魚を海に戻す