詩人:チェシャ猫
少しずつネオンが色づき始め
煙ったい街が茜色に染まる
こんなにも疲れ果てた僕の心に
赤紫の千切れ雲から覗く夕日は
こんなにも深くしみこんでくる
切なすぎるその色に
きみの笑顔をふっと思い出す
広がりすぎた二人の距離と心にも・・・
きっとこの色は同じようにしみこんで
キミも今どこかでこの色につつまれて
ボクの笑顔を思い出しているのだろうか・・・
幼き日には
靴も履かずに追いかけたあの夕日・・・
ビルの陰に沈んでしまう前に
追いつこうと思いながら・・・
沈み行く茜色の女神に
いまはただそっと背を向ける・・・