詩人:咲耶
喩えば。
恋愛に順位をつける様に、
友愛にも順位をつける。
其れは。
優劣となり、心に真っ黒な液体を流し込まれる感じ。ドロドロのタールの様な。
拭い切れねえ。
信じて無え癖に、求め欲しがる様は、無いもの強請り。いざとなれば必要無くなるのに、一人で居るのが淋しくて。
逢いたい奴には、未だ逢えず。其れでも与えられた約束を胸に今宵は空を仰ごう。
切なる想いで、其の背へと手を伸ばしたい衝動に駆られても。
届く筈の無いものは、態々見せるべきじゃ無えな。諦めろ。
何時迄こんな自問自答を、繰り返すつもりなんだか。
嫉妬すると解ってる時点で、
其れは恋愛に近い。
喩え、
自分では認めたくは無くとも。
変わりゆく空と同じ様に、心も其の色を変える。
浮かぶ雲に縋るのは、
もう、止めにしないか?
自分で解って居るだけに、如何ともし難い感情を持て余す。
嗚呼、俺は。
後悔ばかりだ。
何に?
自分にだろ。
決められるのは、俺だけだ。
何度心に呟いた事か。
──潮時だ。
唯一の存在は、其処に在る。
言葉は言霊。
一々口にする事で、抜けない楔を胸に打ち込む。
…嘘吐きで悪かったな。
つか、嘘は吐いて無えんだが。感情の波に逆らえず、右往左往して居るだけで。
徐々に像を成していく、嫌悪。ご協力、感謝。
有難くて涙が出るぜ。
形容し難い感情は、総てを否定したがる。
其れが、妥当か。
本当は、お前に愛を語る資格等無いものを。
受け入れてくれて、有難う。
優しく包んでくれて、有難う。
共に仰ぐ空の星は、
幾多もの願いを背負って
流れ落ちる。
感情を支配するのは、俺自身。
夜闇に降るのは、桜の花びら。
今こそ、誓いを。
夜風に託して。
届けよう。
愛しい人、
お前の空が曇る事の無き様に。