詩人:謳器
風のない真夜中に煙草から真っ直ぐに立ち上ぼる煙微かな頭痛あの頃痛いくらい手をにぎりしめ願った想いすら消えていきそうなこんな夜涙すら流れないこんな夜には大事な何かを思い出すためにシガレット・ケースから煙草をもう一本あの日の自分に笑われないようにあの日にぎりしめたこの手を緩めないようにともう一度強く手をにぎりしめ涙の代わりにもう一本