|
詩人:右色
五千円札か一万円札か
どちらかは忘れてしまったけど
とにかく
千円札ではないお札を、一枚燃やした
良い匂いがした
きっとそれは
980円のハンバーグより
1298円のステーキが美味しいと感じるようなもので
本当に良い匂いなのかは分からない
たぶん
感覚器官のそれではなくて
もっと別な所が判断したのだと思う
確かめたいことがあった
社会に生かされている僕は
社会の象徴を燃やすことで
一時的にであれ
社会から逸脱し
考えてみたいことがあった
そして
僕は
灰になった常識の中
答えを得た