詩人:ふくざわゆいと
記憶を人質にとられて
戦うしかなかった
生まれて 今に至るまで
生きてきた記憶を 取り戻したくて
本当の自分が知りたくて
戦わざるを得なかった
仕組まれた頭痛
薬が無いと止まない
度重なる戦闘に 身も心もやつれた…
それでも ここでは
「兵士」としてじゃなく
「兵器」として扱われてしまう
名前さえ番号 4番目の試験体
苦しみながら 彷徨って
見た目は 普通の女の子でも
他人は 「強化人間」と呼ぶ
乗りたくもないのに 壊したくもないのに
仕組まれた機械に 操られて
無差別に 破壊を繰り返す
「これは本当の自分では無い」と
知りながら 止められず
葛藤し蝕まれ 死んでいった
街を壊したかったんじゃない
戦争がしたかったんじゃない
その目的の為に 造られたとしても
本当に ただ純粋に
自分の記憶を 取り戻したかった
ぬくもりの中で 生きていきたかった
誰かに愛され 愛したかった
もっと あなたと一緒に…