詩人:どるとる
曇った窓を指で拭いて
夜の景色を見つめてる
ぼくの瞳には夜がある
ぼくが見てるのは夜だ
ただの夜が街灯に照らされて輝いている
夜は人工の灯りに照らされて
まるでドレスを着たような貴婦人のようだ
灯りがなければただの暗い夜だから
夜は灯りがあってこそ夜なんだから
夜を見つめるぼくのこの瞳にうつる景色は
きれいだけれど
ぼくが見たいのは
着飾られた夜じゃなくて星の輝きが見えるような
ありのままの美しい夜なんだ
ほら 輝いている
ぼくの瞳の中で
光を放っている
夜が輝いている
星のひとつひとつが宝石のような光沢を放って
ぼくはただ見つめてる
つくられた灯りよりずっとやさしく輝く夜を見つめてる
空の彼方に晴れやかな明日を見つめてる
願う 思い
今、流れ星がはこんだ
閉じられるカーテン
もうどうやら眠る時間
深いまどろみに包まれて
ぼくは夢の中へ
深い夢の中へ
探しに行く
新しい朝を
見つけに行く
眩しい夜明けを
見届けに行く
夜の終わりを
輝く夜の記憶を
胸にきざんで
探しに行く
街を照らす太陽を
探している
夢から覚めるための
現実へつづく扉を
その鍵を
夜という小さな旅の中で
ぼくはひとり 旅人になって
いつも探してる たったひとつの朝を
素晴らしい明日を。