詩人:甘味亭 真朱麻呂
何の変哲もないふつうの日なのに
何一つ嬉しいことなんてなかった日なのに
何故なんだろう
こんなに愛おしいのは
終わりに近づくたび
いつも切なくなるよ
独り儚げに散らかった部屋
窓から見えたのは狭い路地
橙色に染まった空
誰かが残した不安の影 涙の粒
頬を掠めた寒々とした12月の風
今 気づいた
普通がどんなに幸せか
考えもしなかった
そんなこと
当たり前なことだって思ってたから
普通ってなんて素晴らしいんだ
金持ちじゃなくても有名人じゃなくても
普通で良かった
そう思えるような今日があって良かった
愚痴を言っててもまぁ今日まで生きてきて良かった
そう思えたよ
もらしたため息
5時のチャイム
少しだけ切なくなるけど
だけどここから見える夕焼け空は泣けてしまえるほどに綺麗だった。