詩人:♪羽音♪
ほの暗い海底に
僕は静かに沈んでく
そこからは
光は見えず音も聞こえず
大きな青空さえも
映さない
ほの暗い海底で
僕は一人沈んでく
蹴られ笑われ無視され
集団で寄ってたかって
深く暗く冷たい海底に投げ込んだ
僕はこの目に何も映さず
ただただ沈んだんだ
君たちは言ったよね?
「単なる遊びじゃん」「冗談だよ」って
だったら僕がもし
君の背中に
ナイフを突き立てて
笑いながら
「冗談だよ」
と言ったら君は
納得してくれますか?
もし君の目の前で
頭めがけて
ナイフを振りかざしながら笑顔で
「これは遊びだよ。ゲームだって」
と言ったら君は
笑って許してくれますか?
ほの暗い海底に
僕は静かに沈んでく
そこからは
希望は見えず救いの声も聞こえず
透明人間だけが居た
君たちは言ったよね?
「僕は何もしていない」って
うん、何もしてないよ
何もしなかったから
見殺しにしたんだよね?
じゃあ僕からしたら
君も共犯だ
もし君が同じ目に遭って
「何も知らない」
「何も見てない」
と言われたら
君は「そうだよね」って
笑っていられるかな?
「何もしてない」
「僕は関係ない」
と言われても
君はこれからの毎日を笑って過ごせるかな?
苛められることより
傷つくこともあるんだよ
冷たく寒い海底
そこには悲しみだけじゃない
殺意にも似た強い怒りが
潜んでる
それはいつ爆発するのか
僕にも分からない
まるで時限爆弾だね
人の心を殺すということは
そのリスクを背負う事なんだよ
ほの暗い海底へ
僕は一人沈んでく