詩人:あいる
ボクの涙は海まで届かない
大雨の中に
君の一粒が
交ざってるなら
その一粒
ボクは探すだけで
知れぬままに失う
ボクの涙は海まで届かない
届かないのも
手を繋げないのも
わかってる
対極の望みは
太平洋と日本海の握手
愛にも不可能が在る
はばたいて手を伸ばしては
ひざ下を濡らして
居なくなる海の波の羽
ボクによく似た
しょっぱさが染みる
羽を広げることは
こんなにも簡単で
失うことは
ひどく簡単で
ボクの涙よ海まで届け
おもいきりの速度で
瞬きをしてみるんだ
自分がそこに
ここに居なくなる感覚
君もボクに気づかず
知らない曲のハミング
ボクの涙よ君まで届け
たとえば奏でる
優しい友だちは
タバコとお香を焚く
世の中の問題を
すべて解決したら
人間は何をしでかすの
何していいか思いつかず
自分で傷を作る
自分で自分を
気づかせる為に
生欲は赤色
海は海色
奏でたは 音色
君のハミングカラーに
染まって
瞬きもやんで
世界は
君以外の音をなくして
潤いすぎたボクの目から
離れた一粒に
振り向いた君が反射してる