詩人:アイカ
その部屋には
二人の幸せに混じって
小さな寝息が
満ちていて
その空気に
関係のないアタシは
息をするのも
ためらった
彼女は
まるで聖母の顔で
本当に大事そうに
小さな生き物を見せてくれたんだ。
手足は小さく
寝息は細く
安心と希望に
赤らんだ頬が
アタシを
どうしょうもなく
悲しくさせて
吐気をこらえながら
微笑んで
おめでとう。と
言う顔は
明らかにひきつって
黄色い薔薇を渡して
そそくさと逃げた
あの部屋は
幸せの溜り場
このアタシが入れなかったのも
無理ないね。
あの病室は
希望の溜り場
このアタシに似合わなかったのも
無理ないね。