詩人:哀華
渦巻く濁流の中で
最後君は
何を見たのか
苦しんだ後の
その後は
誰が口を開けて
笑っていたのか
誰が何の基準で
死という物を
動かしているのか
そこには
何が口を開けて
待っているのか
一週間前に見た
映画で悪そうに笑う
少年の言葉が
こびり付いて
離れない
生きることは
幻想で
いかなる時も
一瞬の思想で
変わってしまうもの
全て消してしまえば
楽に生きていけるんだ
あの時君は
恐ろしい情景の中で
本当に生きたいと
思ったんだろうか
生きていても
死んでいても
特に変わりは
ないんだよって
そんな悲しいこと
あの少年みたいな顔で
言わないで
欲しかった
あの時私達は
確かに生きて
いたんだよ
真っ暗な
生ぬるい
世界の本当に
隅っこの方で
真っ暗で
悲しい
世界の本当に
隅っこの方でさ