詩人:どるとる
遠く 遠く 見える景色
まるで見覚えのある いつかの景色
いつ見たかなんて
そんな細かいことはわからないけれど
とにかく懐かしい景色なんだ
よくあるだろう
名前を思い出せなくてもそれを見ただけでなんだかそれってわかるもの
簡単にいえばそんなものだよ
今 僕の瞳の隅から隅まで その全てを
まぶしいほどの光で覆うもの
まるで 天国みたいな景色が 遠く 僕を引きつける
まだ まだ 先は長いのに
まだ まだ 歩いて行きたい
それをこの目で確かめるまではね
今日もそれに少し近づいた
生まれたときから思えば見てたんだな
遠く 遠く それを
あの頃は今よりずっと遠くにあった気がするから
だから今 僕はそれを近く感じるべきだ
どんなに遠く 遠く
見えても
それは あの頃から比べれば 近づいたはずだから
まばたきのほんの瞬間の暗闇におびえるように
つかの間の切なさが
この僕をふるわせる
あれが そうなのかな。