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[102210] あの日も僕は空を見ていた

詩人:甘味亭 真朱麻呂


窓越し
当たり前に見える青い空
射し込む陽の光で悲しみ乾かして
大好きな君と笑い合ったりくすぐり合ったりしていた
あの日の僕も今と変わらないのほほんとした気持ちで見上げてた
少し伸びた背丈で
見える世界が高くなってちょっとは何か変わったかな
君に伝えた想いも
あの日空を見てた僕も
何もかもが鮮やかな
それぞれの色を持って僕の未来にささやかな明かりをともす
ひどく疲れきった夜も
仕事から逃れて好きなことに打ち込む休日も
たまに土手を散歩する日曜日も
あの日も僕は空を見ていた
届かない夢を見上げるように見送るように
あの日も僕は空を見ていた
行き違う人に挨拶しながら
振り返ったりして
でも
同じようにただ空が青く続くだけ
果てしなく
でも
果てはあって
僕はただこわかっただけ
僕はただ逃げていただけ
何もかもから

青く青く
空はいつでも側にあって見上げればそこにあって
そこになくて
ずっと遠くにあって
少し不安になる
少し悲しくなる
いつも空は僕をなぐさめてくれた
時には雨を降らせて
きびしくもやさしく
僕を包んでくれた
いつもいつも
僕を見守っててくれた
何も言わなくても
僕はわかるさ
空もきっとわかっているはずさ

あの日も僕は空を見ていた
そして今日も僕は見ている
少し大人びた表情で
少し空に近づいた背丈で
ずっと
ずっと見ていた
ずっと
ずっと見上げてた。

2007/05/19 (Sat)
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