詩人:千波 一也
生きる、
ただひとつ、でも
ただひとり、でも
わたしを生きた、
命のために
わたしと生きた、
命のために
わたしに生きた、
命のために
過ちかも知れなくても
愚かかも知れなくても
生きる、
残されたものならば、
残すべきものならば、
生きる、
どこにも至らぬ心でも
なんにも至らぬ体でも
いつか、どこかへ
いつか、なにかへ
愛をつなぐ
命でありたい、
夢をつなぐ
命でありたい、
ただひとつ、でも
ただひとり、でも
生きる、
まっすぐ、に
かたくな、に
ふらふら、に
くたくた、に
生きた、と
だれにも語れるように
生きる。