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詩人:どるとる
明日が来ることを
拒むように
逆らってもどうしようもない時の流れに背を向けたまま
うつむいている
僕を照らす月明かり
足元にできた影
僕の弱さは果てしなく
いつもほんの些細なことでも弱音を吐いてはすぐ背中見せる
『斬り捨てごめん』を期待するように
なぜ いつも逃げるの?
そう聞かれたならば
悲しかったから逃げたんだ
きっとそう言うに違いない
だって本当なんだ
変えられない気持ちをねじ曲げてまでも
悲しむ必要はどこにもない
だから僕は逃げたんだ
悲しかったから逃げたんだ
悲しみに背を向けて
逃げ道を走ってきたんだ
今まで
あたりかまわず全ての可能性を 否定して
そしてまた今夜も
月に照らされて
僕の足元には影が揺れる
うつむいている僕と同じ動作する影
影もうつむいているから悲しさも同じなのかな
なんてね
言ってみただけ
涙が 音もなく 地面に落ちて はじけるそのさまを僕ひとりだけがまた今日も見ていた
心のシャッターは
軋みながら
静かに 降りたよ
拒んだ 明日がほら向こう側で悲しい顔しながら僕に涙を見せる
都合のいいことだけを見つめていたくて
ただそれだけなのに
腐った果物を見るような目で僕をはねのける 誰かの目線が僕を射抜く
本能に従った
僕からしたらそれだけなのに
どうやらそれが常人には間違えだったようで
それが今の結果で
僕は一向に悲しくないのに
人はそれが悲しいというんだ
僕はわけがわからなくて
ただ あたたかい月明かりの下に立ち尽くしていた。