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詩人:甘味亭 真朱麻呂
あの頃も今と変わらずに同じように
ただ毎日を単純に繰り返していただけ
あの日の僕はいつだって機嫌悪そうに
都合よく逃げ込む先は手を伸ばせばすぐあった
あれから幾つ歳を重ねて
はたして幾つの朝を迎えただろう
今日まで流した涙の数だけ大人に近づけたかな
そして少しだけでも君にふさわしい
そんな僕になれたのかな
答は今もわからないまま
こうして大人になったって悲しいときには素直に悲しむよ
涙を止めるすべさえ知らない僕は
時々うなだれてさ
君の胸の中子供みたいに泣き崩れる
ねぇ
この広い世界の中で君と出逢えたことは
偶然かな
それとも奇跡に近い巡り合わせなのかな
今、長い夜の始まりに君に問いかける
いつまででも
雨は止まずに降り続くけれど
明日になれば嘘みたいにさ止むんだろう
見上げた青に昨日の雨模様重ねてみる
朝と夜が重なりあって
目覚めればほら
僕らは流れ去った後の時間の片隅に使い慣れた言葉を交わす
挨拶という言葉を交わす
そして
僕らは巡り会う
何度でも朝が来さえすればにこやかに
僕らは繰り返す
誰もが繰り返す
日常というそれぞれの暮らしを
そして 今日も
朝と夜が重なりあって
僕はここにいて
君とここにいて
不確かになりそうな愛をもう一度確かめ合う いつかの夜に
出逢った頃のように
いつまでもこの愛が冷めてしまわないように 笑いあうよ。