詩人:清彦
夢も希望も見当たらない
気がつけば熱い日差しに蝉時雨
歩く並木道をぼんやり眺めながら
僕はあるとき雲だった
形を自由に変えながら
遠い空から地球を見送るように
たんたんと生きていたよ
人の群れ
青信号の合図で一斉に動き出す
交錯する
それぞれの場所へ
それぞれの道で
それぞれの意思で
その時は何の迷いもない顔
家へ帰ったら
どんな表情で眠って
どんな夢をみるのか
電子掲示板には
連日情報が溢れかえっている
この文字達との付き合いは
その向こう側に誰かが居ること
それを前提に成り立っているのか
情報に振り回されちゃいけない
けれどじゃあ僕たちって何さ
人は皆
生まれたら必ず死ぬんだ
そしておよそ間違いなく
今は生きてるんだ
夢も希望も見当たらない
「それも粋だね。」って
揺れる木葉が切実に教えてくれる