詩人:ギョロ
幼稚園のマットを捲ると隠し扉がある。扉を開けると地下へ続く階段が姿をあらわす。階段を降りると長い長い廊下。しかし、無限に続くと思われるそれは何処かで必ず途切れている。廊下の両壁には無数の扉。扉は硬く閉じられているが、努力すれば開かぬことはない。私は扉には触れず、長く続く廊下を歩いて行く。廊下の果てはまだ見えない。歩むだび扉の数は減っていく。扉を開けば何かが変わるのだろうか。しかし私は扉を開かない。開く勇気などない。開けば後戻りが出来ない気がして……
2010/06/10 (Thu)