詩人:甘味亭 真朱麻呂
あぁ
ひどく疲れたようなメロディが
今僕のこの部屋を囲むように流れている
あぁ
湯船に浸かりながら明日のことを考えると
なんだか気持ちが滅入ってくるよ
重たい溜息を思わず吐いてしまって
どうしようもなく僕はただなるようになっていくのを見送るだけ
それだけしかできないんだ
頭の中で雑多に日々増え続ける悩み事
答を出すことばかりに目がいって
気づいてみればずい分長い間笑顔を忘れてる
そんな気がする
気がするだけかもしれないけれど
いつも想うんだ
夜は何故かな
強がる僕でさえ
心の奥をふるわせて
しんみりした気にさせるよ
いつの夜でも
いつの夜だってさ
音のないメロディが心に届くから
あぁ
おかしいのかも
でも僕は自分の頑張りを誉めてあげたい
疲れきったからだにご苦労様をかけてあげたい
そうすることで
きっと届くメロディが少しでもやさしいものになる気がして
僕は今夜もひとり語るようにつぶやく
「僕よ、お疲れさま」
流れるメロディ
切なさとやさしさを含んだ夜の音色
僕にしか届かない
不思議なメロディ。