詩人:アイ
大きくなったら何になりたい?
お花屋さんになりたいなんて
可愛い夢を大きな声で発表した
お庭でママと植えた種が大きくなって花が咲いた
その頃にはもう変わってた
大きくなったら何になりたい?
お菓子屋さんになりたいなんて
可愛い夢をママと話した
その日はママとクッキーを焼いてたからかな
叶う叶わない関係なく見ていた夢
叶えなきゃって焦りだしたのはいつからか
小学生になって少しませてきて
バレンタインデーに好きな男の子に甘いクッキーをプレゼントした
その頃は可愛いお嫁さんになりたいなんて
鼻唄を歌いながら自分で髪を結わってた
中学生になったら進路を考えて
わからない現実を先に見せられて
肩書なんて要らないって
そう言いつつも高校に入った
叶う叶わない関係なく見ていた夢
叶う夢を見ようと決めたのはいつからか
高校を卒業して
夢より達成出来るだろう目標を考えた
ブランド物の洋服やバックが欲しいとか
高級レストランで食事したいとか
でも目が覚めたら夢を見た
将来は専業主婦になる
こっそりパートしてヘソクリ貯めるんだ
子供は二人欲しいな
暖かい家庭を築きたい
叶う叶わない関係なく見ている夢
今
叶わない夢の方が夢らしい
終わらない夢の方が心地良い
子供と種を植えたいな
クッキー焼いてパパにプレゼントしたいな
起きたまま見る夢も良いよね
いつまでも夢を見ていたい