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詩人:右色
僕の言葉は
射程距離がとても短い
「こんな風に思われたい」と
余分な言葉を付け足して
「そんな風に思われたくない」と
必要な言葉が足りなくて
僕の言葉には「僕」が居ない
だから、僕の声は届いても
僕の言葉は届かない
それでも
僕の瞳が見える距離まで近づいてさえくれれば
声を出さなくとも
僕の言葉は届くと信じている
僕はどこかの時点でこんな僕を好きになった
嘘つきで
臆病で
凡人な僕を好きになった
だから、今しばらく、僕は変わらない
僕の言葉の射程距離は
とても短い
だから
近づいて欲しい
そうすればきっと
届くから