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詩人:高級スプーンあと何年
ああなんか
これさっきも
やったような
景色の彩りや時間が
生活と乖離して
壁の向こうから
聞こえる声
邪魔するものを
遮りたくて
五感を塞ごうとする
両手じゃ足りない
けれど面倒で
浅瀬で眠り
吐き気で目覚める
半覚醒で過ごす日々
刺激的なニュースも他人事で
昨日と同じような呟き
吐瀉物に血が混じる
無味乾燥な感想を世に遺して
去っていく今日
取り返しがつかなくなったと
喚いたのは
昨日みたいな昔の話で
逆転の明日を夢に見て
白昼にふらつく不審者
味気ない微睡みじゃ
誤魔化しきれない現世さ