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詩人:どるとる
悲しみを言葉にしてみても
誰かの心無い言葉に無惨なまでに打ち落とされてしまうだけなら
何も言わないほうがマシだね
本当の気持ちは言葉にできてもそうならないのが常だから
どんなに願っても降り続く雨をやませることなどできないように
悲しみも通り過ぎるのを待つしかない
ぼくらはそれを見計らって笑える隙をさがすのだ
誰かの言葉がナイフのように
何気なくぼくらを傷つけている
ぼくらの言葉も時に鋭くなって
知らないあいだに誰かを悲しませてる
その人の一日に雨を降らすものはいつも
ひょんなところからやってくるんだ
悲しみを抱いてても言わないでいよう
隠してるわけじゃないけど
言葉にしてみても悲しみは癒えない
涙 枯れ果てた日も
笑顔 はちきれる日も
いつでもぼくはここにいて影を抱きながらも明日のずっとその先を見つめてる
希望や期待に胸を高鳴らせてる
生きたい
死にたい
その繰り返しの中で
ふと抱いてる悲しみを言葉にしてみる時
涙が流れ落ちた
ひとり 意味はないけど 何度も思いをぶちまけた
燃えるようなあかねの空に涙は流れてゆく
言葉にしたぶんだけ
何かが ふっ切れる。