詩人:EASY
今日は風が
とても強く吹いている
ほんの少しの
きっかけさえあれば
しなかったであろう洗濯物が
暗い部屋の窓を叩くのだ
その音はあらゆる感情の
懐かしさを含んでいて
纏まりのない酷い一日に
とても奇妙な安堵を与えている
風が吹けば吹くほどに
愛する二人は愛を確かめ
雲ひとつない晴れ渡った空の下
公園で遊ぶ子供たちの紙飛行機は
奇跡の様に遠くまで
何処までも飛んでいく
その上に輝く夕日は
入道雲をオレンジに照らし
夏の終わりを印象付けて
切なさと幸せとマンネリと
喜びと苦しみを風にして
今日、僕の部屋の窓を叩いてる
ほんの少しのきっかけさえあれば
僕は洗濯をしない
にもかかわらず
また今日も洗濯をした
ほんの少しのきっかけがないまま
今日も僕は洗濯をした
そして僕の部屋の窓を
その洗濯物が
今日も叩いている
紙飛行機を奇跡の様に遠くまで
飛ばす風で