詩人:あいる
曇って字に変換して文字を写したけど
小さな迷路に見えたよ
日の下に雲って書くんだね
よかった
あそこを突き抜ければ
光は在るんだね
見えてないだけなんだ
そう
見えていないだけなんだ
人工的で無機質な明かりは
安心と慢心を生むんだ
人の気持ちに
絶対はないのにさ
ボクはパーになって
グーの君を優しく
包むはずだったのに
君はしっかり
未来を見据えていて
ボクを突き抜けて
転がり続けた
穴の空いたボクは
ただの紙切れ
転がり続けたよ
自分の小ささを知った
弱いのはどっちだった
包まれていたのは
ボクだった
きっとチョキに変身しても
弱い者たちを
切り裂くんだろう
最後には
自分も傷つけるんだろう
一人ぼっちに
気づきたくなくて
宇宙から見えた地球は
汚かったよ
君をなくしてしまって
一日はとても長いんだ
時計を眺めると
時間はしっかり進んでいる
使わなくなった
ペアの枕に
愛がいたんだ
そう
愛がいたんだよ
眼から零れるのは思い出と君への想いか
どうりで枯れないわけだ
人工的で無機質な明かりは
安心と慢心を生むんだ
でも
もうまっぴらだ
余計なモノまで見えちまう
夜でも明るい街
眠らない街
もうたくさんだ
ボクは眠りたいんだ
曇って字がボクに見えたよ
愛って字が君に見えたよ
紙切れのボクは燃えて
風になって空を舞うよ
君に追いついて
追い風を吹かせるんだ
君はもう
ボクには気がつけない
前だけ見据えてる
気持ちもやっと
追いついたから
ようやく君を包めるよ
君はボクには気づかない
いつまでも側にいたいのに
ボクは風
転がり続けるのさ
この曇り空を吹き飛ばそう
光は在るんだね
見えてないだけなんだ
見えていないだけなんだ
愛がいたんだ
愛がいたんだ
君は前だけを見据えてる
眼から零れているのは
どっちだった