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詩人:夕凪
古い民家が立ち並んでいた下町は、高層マンションや綺麗な一軒家ばかりの閑静な住宅地へと変わり
そこに寂しさを覚えない訳ではない‥
けれど、今あるこの町の姿が、17年分の人々の力強い復興への勇気の証だと思うと
この姿もまた大切な愛すべきホームだと分かる
未だ残る爪跡も、長い歳月をかけてやがては癒えるだろう‥
昨年、東北の震災を目にした時、東北の人々のこれから先にある長い復興への道のりを思うと
私は張り裂けそうな思いで胸が痛んだ‥
津波や放射能‥それは神戸の震災とはまた違う苦しみを、人々に深く強く残してしまうのだろうと‥
それでも、今日の神戸の姿が、生きてきた私達の自信と誇りが
僅かばかりでも東北の人々の糧になればと、心からそう願っている‥
生まれ育った故郷の景色は、たとえその姿を失ったとしても
決して人々の心から消え去る事はないのだという事を、忘れずにいて欲しい‥
生きている限り、必ず光は射すという事を─‥
同じ故郷を愛する人々が、共に手を取り心を繋ぐ事で、
それを経験したものだけが知り得る強さや温もりがあるという事‥
その事を大切に噛み締めながら、新しい笑顔や幸せを見付けられる様に─‥
過去から現在、そして未来へと‥
変わらずに変わっていける様にと─‥。
今日この日、神戸そして東北の震災に遭われ、尊い命を亡くされた全ての人々に‥
そして懸命に今を生きている全ての人々に‥、私は心からの祈りを捧げる─‥。