詩人:甘味亭 真朱麻呂
切ない夜に風が吹く
心地よく胸をやさしくなでるように
昼間の疲れをそっと癒すように
ただ当たり前に愛のない部屋に暖かさを届ける
ここから見える景色は
とてもとても寂しい
音達は息を潜め星の瞬きに見とれてるようだ
なんだかこう静かなのも淋しいものだな
もし側に愛があるならもっと暖かいんだろう
そう想っても切実な現実に我を忘れ忙しくしているだけで日が暮れる
言い訳だと知っていても本当のことだから仕方ないだろう
あのとき君に伝えていれば…
今さら後悔が胸を突いても
過ぎてしまったことはもうどうにもならないだろう
低くつぶやく声はかすかにふるえてた
いつかの夜
思い出してたよ 今
君と出逢うずっと前の切ない夜を
夜風は淋しさを煽るように今も吹く
けれどその淋しさの中にはやさしさもあって
君と出逢ってはじめて教えられたんだ
独りぼっちの時があったからこそ
こんなにも君といられることが幸せなんだって思える素晴らしさを教えられたんだ
あの夜吹いた風に
今もすぐ側吹く風に
あぁ
勇気とつよさをもらった気がする
時々負けそうになるけれど風はまた勇気づけるように教えてくれる
忘れてたあの日の夜を思い起こさせてくれる
やさしく暖かく
頬をなでながら 夜も朝でも。