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詩人:ナナエ
その人は
嫌いな人の前では
うつむいて目も合わせないし
好きな人の腕の中では
纏わりつくように甘えるし
友人の前では
四六時中ふざけてどうしようもない
時折みせる真面目な姿は
恥ずかしくて友人には見せられない
社交性があって
誰とでも上手く付き合える人が
唯一絶対苦手な人間だと言って
ゲラゲラと笑っている
喜怒哀楽を表に出さず
仮面を被ることで
自分を
居場所を
守っている
そんな大人に絶望したから
喜怒哀楽を
全身で包み隠さず表現して
ゲームのクリアに全神経を注いで
SFの世界に目をキラキラさせ
延々とラスボスに挑み続けている
「大人にはならない
一生子供でいるって決めたし」
"そんなこと"を
缶コーヒーを振りながら
さらっと言ってのけるアイツが
他のどんな大人の男より
魅力的な男性に見えた