詩人:凜一
眠るのが怖い
きっと
君に抱かれる夢を見る
もう忘れてしまったよ
もう大丈夫だから
そう言ってバカみたいに笑う私は
たぶん宇宙一の嘘つきだね
君とつないだ手の温もり
君の少しかすれた優しい声
君が笑う瞬間
悲しそうにほっぺたを擦る
落ち込んだ時の君の癖
忘れない
忘れられないよ
だって
私の中にこんなに残ってる
こんなに深く
息づいている
空っぽになった部屋の隅に座り込んで
全部吐き出して
静かに泣いた
一緒にいたかった
ずっと一緒に
いられると信じてた
この広すぎる部屋だって
君がいたから暖かくて
一人きりだと
凍えてしまいそう
淋しさに
溺れてしまいそう
もういないのに
二度と触れられないのに
私の体に
ちっぽけなココロに
君が、深く深く
刻まれて
消えない
こんなに、こんなに
憶えているよ
もしも
願いがひとつ叶うのなら
君を願うでしょう
愛された日々を
消えない思い出を
もう一度くださいと
ひたすらに願うでしょう
抱きしめたい
強く、強く
離さないことが
今ならためらいもなく出来るのに
君はもうどこにもいなくて
淋しいと
痛いと
叫んでも
君の暖かな笑顔は
戻らない
眠るのが怖い
きっと
君に抱かれる夢を見る