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詩人:どるとる
『事実は小説よりも奇なり』なんて言ってるけれど
事実には小説みたいな不思議さはない
全てがもう理論づけられた つまらない常識の塊
ああ 風に泳ぐ鯉のぼりが
ハタハタと揺れる
事実にはない小説の
小説にはない事実の
それぞれの輝き
今 見つめてるから
ぼくはどちらも嫌いでどちらも好き
ああ 風がやんだときへなへなとしぼんだようになる鯉のぼり
事実は小説より
小説は事実より
そんな不思議抱きしめてぼくは眠ろう
ぼくは眠ろう
事実が小説より奇なら
ぼくはきっととんでもなく奇妙な存在だろう
事実は小説をいつか追い負かして
不思議な輝き放つ
光を空から降らす
光の雨が降り注ぐ
なんて今日はいい1日なんだろう
心が洗われるような思いさ
事実はやっぱり小説よりも奇だったよ
そういうことにしておこう 気持ちよく笑うため。