詩人:どるとる
世界でただひとりの人に恋いこがれていた季節は不意の風のように
ぼくに吹きつけた
追いかけるその足がつかみたかったものは
君だけだったのに
追いかければ追いかけるほどに遠くなる
君だから
あまりに美しすぎて
近寄れない光
まぶしすぎる光は遠くから見るだけが精一杯と唇を噛んだ
ぼくの口元に
血がにじむ
あの日、ぼくの心に咲いてた恋桜は散ってしまったけど
また咲くといいなって思っているんだ
またあんな気持ちで誰かに恋いしたい
そして 追いかけたい
今度は まぶしすぎても逃げないでいたい
恋桜 咲かせるため
君に 出逢うため
はじまりの季節はある きらめく夢は始まる
愛し合う気持ちのある者の 来訪を待って
そのためのその種を
人々の心の中に散布する。